国際森林年記念シンポジウム
海岸林を考える~東日本大震災からの復旧・復興に向けて~ 2011年6月22日
環境活動団体として一体何が出来るだろう…とあの日からずっと考えていました。
3月29日の夕刊を見て、復興に必要とされる課題の一つを目の当たりにしたものが想像を遥かに超えた津波によって壊滅状態になってしまった沿岸の浸水範囲概況図でした。「あったはずのものが無くなってしまった」これは家屋だけでは決してありません、長い年月をかけて育っていた植物や木々たちもそうです。沿岸地域には必要な海岸林も存在していました。しかし、ほとんど根こそぎ津波に持っていかれてしまいました。テレビや新聞でご覧になられた方もいるでしょう、『たった一本だけ残った松原』かつては7万本の松が植わっていたそうです…。必要な海岸林を再び戻す為にはどうしたら良いのか情報を集めていた時に、このシンポジウムのご案内を頂きました。会場には沢山の方々がこのシンポジウムを聞きに参加していました。グリーンウェーブ設立の際、色々とご相談にのってくださった河合さんにも会場でお会いすることが出来ました。陸前高田から高田松原を守る会の佐々木松男さんも登壇され、地震・津波の体験、松原の現状、これからの松原の形…などお話下さいました。一言一言がとても重々しく私自身、鳥肌が立った程です。津波に対して機能強化を海岸林に求めるとするならば、林帯幅を50m以上、可能なら200m以上必要であるとのお話も専門家の先生方から聞く事が出来ました。適した樹種についてや広葉樹を取り入れた植栽方法、また、地元市民の望んでいる防災都市の姿と国が考えている姿とにギャップが生まれる懸念など課題はありそうです。ただ一つ言えることは、海岸林も復旧を急いでいることには間違いないということが今回このシンポジウムに参加してはっきりしました。苗木もかなりの本数を必要とすることでしょう。復興へのお手伝いに繋がることを目指していきたいと思います。
自然エネルギーに関する「総理・有識者オープン懇談会」2011年6月12日
総理官邸
枝廣淳子さんの環境メールニュース を配信して頂き拝読しています。枝廣さんには一度お会いさせて頂いたことがありますが、本当に素敵な方でどんな方にも凛々しく筋の通った意見をおっしゃる姿に私自身、大変尊敬している女性の一人です。この懇談会は、3.11からもう一度見直されている自然エネルギーへのシフトについて、枝廣淳子氏、元サッカー日本代表監督の岡田武史氏、ミュージシャンの坂本龍一氏、ソフトバンク社長の孫正義氏、ap bank代表理事の小林武史氏が管総理にそれぞれの意見や思いを伝えています。枝廣さんのご意見をご紹介させて頂きます。
ここから引用
枝廣です。今日はこのような場に呼んでいただいて、もしくは押し掛けさせていただいて、本当にありがとうございます。
3.11は本当に大きく時代を変えたと思っています。大きな問題意識として、「3.11をきっかけに国民の意識や感情など、世の中は大きく変わっているのに、永田町はそれをわかっていないのではないか」。そのように感じている人も多く、それは被災地支援においても、原発事故の対処においても、今回のテーマである自然エネルギーに関しても共通していると思います。
そういった意味で、本日、国民の代理としてこの場でいろいろお話できることをうれしく思っています。今回ツイッターを用いて生中継しているように、少しでもこのギャップを縮めることを、これからもお手伝いしていけたらと思っています。
エネルギーの話に入りますが、一次エネルギーのうち84%が化石エネルギーに頼っているのがわが国の現状です。ところが、化石エネルギーにこれからも頼り続けるのは極めて難しい状況にあります。それは、このグラフを見ていただくとわかるように、化石燃料を輸入するための金額がどんどんと増えているからです。
23兆円というお金を払っています。しかし外貨を稼ぐ輸出のほうはそれ程伸びていない。ピークオイルが来れば、化石燃料の価格はますます上がりますので、日本がこのまま化石エネルギーを使い続けるのは、経済的にも難しい状況です。
では、原子力はどうなんだということですが、今回3.11があって、当面、日本の中での新設・増設は難しい。原子力発電の寿命というのは、世界の平均は22年くらいのようですが、40年で廃炉と計算しても、この赤い線のように、いずれなくなっていくということがわかっています。
化石燃料は高くつくし、原発はこういう状況だしということになると、自然エネルギーしか残りません。これまで自然エネルギーは、贅沢品や趣味のように語られてきましたが、もうそういう時代ではないということです。これから経済界も産業界も一緒になって、いかにこれを早く進めていくか知恵を出し合わないと、エネルギーが足りない時代がやってくるのではないかと思っています。
私のほうで、震災後2回にわたって、国民の意識を調べる調査を行いました。詳しくはウェブを見ていただくとして、震災を受けて、原発事故を受けて、エネルギーに関する考え方が変わったという人が4人に3人おります。
30年後の日本の望ましいエネルギーについても質問しました。震災から3カ月後の最近の調査では、原子力に関してゼロにすべきだといっている人は全体の3割で、ゼロまたは減らすべきだと言っている人は84%にのぼります。
対する自然エネルギーですが、96%が日本は自然エネルギーを増やしていくべきだということを言っています。これが国民の大きな意見であると思います。
また、菅総理より冒頭にお話しいただきました「2020年代の早い時期に自然エネルギーを20%へ」というお話をどう受け止めるかということを同じ調査で聞いたところ、約6割が肯定的な評価をしており、否定的な評価を大きく上回っています。
ということで、国民の意見としてやはり「原発は減らしていく。そして自然エネルギーを増やしていく」ということを望んでいることがわかるのではないかと思います。そんなに簡単にエネルギー構造を変えられないという声もありますが、日本はこの30年くらいで大きくエネルギー構造を変えてきました。オイルショック以降は官民挙げてシフトしてきた。今回も3.11ショックで官民挙げてシフトすれば、そんなに時間をかけずに変えていけるのではないかと思っています。
世界の状況はどうかと言うと、このグラフが風力発電、そしてこちらが太陽光発電ですが、どちらもぐんぐんと伸びています。世界全体の電源の中で自然エネルギーは26%ですが、しかし2008年から2009年の1年間で新規に設置されたエネルギーを見ると、半分が自然エネルギーとなっており、世界における自然エネルギーの広がりがわかると思います。
これに伴って投資が非常に増えているのですが、残念ながら、それが日本には経済効果として戻ってきていない。日本のシェアは今、どんどんと下がってきています。
一方、日本で自然エネルギーはどれぐらい可能性があるのかということを、よく質問されます。風力発電だけでも、全量買取制度が導入されれば、原発40基分のエネルギーを生み出すことができます。
コストが高いのではないかという話もありますが、実際には、原発は今言われているよりもっとコストがかかりますし、自然エネルギーはどんどんコストが下がってきています。ということで、流れとして原子力・化石燃料と自然エネルギーのコストは、遠からず交差して、自然エネルギーのほうがずっと安くなる。世界のいくつかの国では、すでにそういう状況になっています。
いずれにしても、どのエネルギーにしても、必ずコストがかかるわけなので、どこにコストをかけて、どういう未来をつくり出したいのか。このことを、私たちは考えていく必要があるのだと思います。
短期的な経済効率やコストだけではなく、地域の活性化につながる仕組みも必要です。例えば、デンマークの風車の8割以上は、地元の市民が所有しています。ですからお金が地域に戻る。そういった仕組みを日本でもつくっていくことで、単にエネルギーだけではなくて、地域の活性化も進めていくことができます。
そのために大事なことが2つあると思っています。1つは再生可能エネルギー促進法を早期に成立させていただきたいということです。
もう1つは、今回のように、国民の議論が反映される政治を、もっともっと進めていただきたい。ドイツは脱原発を決めましたが、これも国民との徹底的な議論がバックにあります。今回は、そういったオープンな対話の第1回という位置づけですが、これからいろいろなテーマで、このような国民の議論を起こしながら、国が政治を進めていくことを望んでいます。
以上です。
引用ここまで (枝廣淳子の環境メールニュース http://www.es-inc.jp )
懇談会の様子は政府のインターネットテレビで観られます。
http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg4972.html
春の植樹祭2011年3月11日
今年もお声をかけて頂き、植栽リーダーとして海の森秋の植樹祭に参加させて頂きました。今年も晴天に恵まれる中、沢山の方に参加して頂きました。グリーンウェーブは東芝さん、NPO法人自然復元協会さんとご一緒させて頂きました。皆さん知識が豊富な方が多く大変熱心なチームでした。今回植樹した場所は急斜面ということもあり、苗木を真っすぐ植えることに少々苦戦しました。この海の森は平成48年頃の完成とのこと。まだまだ始まったばかりですが、今回参加してくださったお子様たちが大人になった時、立派な森となっているのでしょう。
ご参加くださった方々(五十音順)
有冨祺子さま
加藤素子さま(2回目のご参加)
北リサさま
直江洋子さま(2回目のご参加)
本当にありがとうございました!